指物師の手によると思われる時代物の小引き出しです。 底面以外は、網代編み装飾に溜塗（ためぬり）が施され深みのあるえんじ色（飴色）に仕上げられています。 ３杯の引き出しは前板以外には桐材が使われ、前板の引手金具は鉄製です。前板裏の金具隠しに貼付けられた和紙（画像写真１０～１２枚目）は、文字（ひらかな）や人物、装束から中世？の読物（写本）を使ったようですが、時代（物）家具の内側にも和紙の貼付けがたまに見られます。使用時の傷隠しとして持ち主が修繕する場合もあると思います。また、使用する和紙は中世の読物とも限りませんが。 引き出し内側には、桐材の節など元々の色合いや凹みなどが見られます。同内側には使用時の墨汚れやキズなどは見られますが、目立つような欠けやヒビ、割れなどはほぼありません。 網代編み溜塗の箱体に、目立つような汚れや損傷もほとんどなく、ガタツキなく引き出しの開け閉めはスムーズです。 出品の小引き出しがいつ頃の、また使われていた時期は、などについては、金具隠しに使われたような和紙が身近にあったと思われることや、黒や朱の墨跡などから、あくまでも出品者の推測ですが、明治期では。 大きさ（㍉）重さはおよそ次の通りです。引き出しは内寸です。 箱体：横幅２０５、高さ２３５、奥行２８０／ 引出：横幅１６６、奥行２４２、深さ４6、 ５6、７１／ 重さ：１８８０㌘（引き出し含）／ 時代物の小引き出しです。目立つ損傷はほとんどありません。網代編みの装飾に溜塗が施された深いえんじ色の光沢が目を引きます。インテリアを兼ねた小物入れとしてお使いいただければ幸です